こんにちは~。コマリです。
ここはドリプレ・ローズガーデンのカフェのテラス席です。では、今日はこのカフェのマスターをご紹介しますね。
オルくんです。
オーナーさんに聞いたんですけど、私がここで暮らすようになる何年か前にオルくんも私と同じで、こちらに置き去りにされていたそうなんです。それもオル君のお子さんと一緒に・・・。
オルくんはそんなこと自分からは話さないんですけど、色々と辛いことがあったみたいなんです。
でも、さっきからオルくんが居ないんですよ~。どこかに行っちゃって・・・。
エッ?門の外に居たんですか?!
も~・・・、オルくんったら~・・・。お天気が良いといつも好きな所に行っちゃって、お仕事をさぼるんですよ~!
オーナーさんからは「オルくんはカフェのマスター」ってはっきり言われているのに・・・。
オル:ぼく、オルくん。今日は門番をするぞ~!そんな気分だから。
モンバン様のお務めだぞ~。
悪い子は居ね~か~?(ナマハゲか?)
ほんとはね、ここにいるとお客さんから一番に可愛がってもらえるし、おやつももらえるからね~。
今日はカフェで働かないでずっと門番をやってようかな~。
コマリ:オルくんとオルくんと同じような長毛で可愛い赤ちゃんのレアちゃん(おそらく生後3か月くらいだろうと言われてました)は、2匹で置き去りにされていたそうなんです。オーナーさんやスタッフの皆さん、そしてほかのにゃんこさんたちが近づくと「ウ~」と唸って決してレアちゃんに触らせないようにしていたんですって。
そして毎日毎日、レアちゃんにピッタリくっついて一生懸命一人でお世話をしていたそうです。
そうやってレアちゃんをかいがいしくお世話をして守っていたので、オーナーさんもスタッフの皆さんもオルくんはてっきりお母さん(つまりメス)だと思っていたそうです(最近まれな例も観察されるようですが、基本的にオス猫は自分の子の保護・育児を全く行わないと言われています)。
コマリ:でも、病院に連れて行ったら、先生に「この子はオスですよ」と言われて、皆さんビックリ!他のにゃんこさんたちはもちろん分かってましたけどね。
オル:ベ~だ。男の子だぞ~。
門番はもう飽きたな。ガーデンに行こうっと。
コマリ:何年か前に大きな台風が来ましたよね。ガーデンでもとても大きな被害が出たそうなんです。
そして、その夜からレアちゃんが突然居なくなってしまったんです・・・。濁流に流されてしまったんでしょうか・・・。次の朝からオルくんは何日も何日もレアちゃんを探して、探して、探して歩き回っていたそうなんです・・・。
でも、見つからなくて・・・。
オル:あっ!KH嬢!
KH嬢は、なでなでマッサージが上手だからな~。
ウ~ン。気持ちがエエナ~。眠くなってきた~・・・。
落ちた~・・・。
エ~? カフェのお仕事? ナニそれ~?。知らな~い・・・。ムニャ~・・・。
コマリ:えっ、オルくんガーデンで寝ちゃったんですか? も~ぉ・・・。
とても悲しいレアちゃんのことから立ち直ってからオルくんはより強くなったみたいです。マスターらしくガーデンを守ってくれて。
アナグマと戦って50針も縫う大けがをしたこともあったんです。この間だって、どこかの野良さんとけんかして、また大けがをして・・・。
でも、使命感を持つのはいいんですけど、危険なことはやめてもっと落ち着いてほしいです。テレビの取材があった時も生放送中にガラスの器を割っちゃったり・・・。
お仕事はさぼるけど、コマリはオルくんのこと頼りにしてるんだから・・・。
ほんとにもう少しだけ思慮分別を身に着けてほしいな。
オル:えっ?なあに?何をしてほしいって?カフェのマスターのお仕事? ダイジョ~ブ!今度から必ずこんなふうにカフェに居るから!
多分・・・、ネ。
また来てね~!
オルくんからのお願い
ぼくたちを置き去りにしたり捨てたりするはやめてください。置き去りにされた僕たちの気持ちもどうか考えてください。レアだって置き去りにさえされなければ・・・。
人間の世界では、そういうことはホウリツイハンと言ってとても悪いことだそうですね。
そうでなくても、こちらのオーナーさんはとても大変な思いをされています。
だから、絶対に僕たちを置き去りにしたり捨てたりしないでください。
お願いします!
それでは失礼いたします。
「にゃんこプレス」