33号 ベルちゃん Vol.2

こんにちは~。ドリプレ・ローズガーデンのコマリです。

今日は、ベルちゃんのご紹介の続きでしたね。
(言うまでもないことですが、にゃんこプレスによるフィクションです)

コマリ:ベルちゃんは、最近なんだか毎日楽しそうにしてますよね!
ベル:そうかな。うん、そうかもしれない。
コマリ:他のにゃんこさんとも仲良しだし、カフェや作業小屋にも一人で行きますもんね。

ベル:お客様とも仲良くなれるようになってきたかもね・・・。

コマリ:あっ、そうそう。先回の号はベルちゃんが色々と考えるようになったきっかけがあるっていうところで終わったよね。なんでも、世界で一番有名なワンコさんの言葉だって・・・。
ベル:う~ん。なんかね・・・。自分はこのガーデンの中に閉じ込められているとか、自分で決めたわけじゃないのにマリー母さん2世だとか・・・。
そんな自分の周りの難しいことや境遇みたいなことを・・・、なんて言うのかな、独りよがりかな・・・。そんなふうに考えていたような気がして・・・。よく分かんない。
コマリ:・・・。

ベル:聞いた話なんだけどね・・・。そのワンコさんが、ルーシーっていう女の子さんに「時々、私はあなたが犬なんかでいられるのが不思議に思うわ」と言われた時に・・・。
コマリ:なんて言ったの?
ベル:「配られたカードで勝負するしかないのさ・・・それがどういう意味であれ」って言ったんだって。
(C・M・Schulz「Peanuts」)(簡単に言いますと、チャーリー・ブラウンの飼い犬スヌーピーの言葉です)

ベル:全部のカードを持っているにゃんこ(人)なんて居ないじゃない。それに、みんなそれぞれ違ったカードしか配られていないから・・・。それ以上を望んだり、他のことを考えてもしょうがないかなって・・・。私は私だし、これが私に配られたカードだから・・・。そのカードで「手」を自分で考えて「勝負する」しかないもん。

コマリ:あっ、図書室にある本にこんなことが書いてある!(本当はガーデンに図書室はありません)「大切なのは、何が与えられているかではなく、与えられているものをどう使うかだ」(アルフレッド・アドラー 岸見一郎翻訳)。
そう言えば、「知恵は行動によって明らかになります」っていう有名な言葉もあるよね。
ベル:なんだか前は、「させられる」とか「してもらう」っていうことばかり考えていたことに気が付いて・・・。考え方を変えるようにしていったら、だんだん楽しくなってきて・・・。このガーデンでもいろんなことが出来るんだって・・・。
狩りの練習とか、

悪戯とか。

ベル:それに、最近思うんだけど・・・。わたし、実は最強のカードを配られているんじゃないかな。お兄ちゃんたちが居る外の世界よりも、このガーデンに居ること自体が、もしかしたら最強のカードなんじゃないかなって。
それは、ベルがマリー母さんの子供だったから・・・。
えっ?人間さんもそんな風に感じることがあるんだ。だったら、何があってもそのカードを他に売り渡したりしちゃだめですよ。
実は最強のカードが配られているんだって、自分自身で気が付かなきゃだめですよ。

でもね、ベルは「いい子さんになってきた」って言われても、わたしはわたし。一人がやっぱり好きなんだ。

ガーデンに来ても、あんまりしつこくすると爪で引っ掻いちゃうからね。
じゃあね~。

それでは失礼いたします。
「にゃんこ通信社」

付け足し:アルフレッド・アドラーは、「夜と霧」で有名なヴィクトール・E・フランクルと同じで、オーストリア生まれの心理学者・精神科医です。自分自身の長年の研究結果による示唆に富む言葉を残しています(もちろん、個人的には同意できない考えもあります)。
その一つを(多少は今号のモチーフとなりました)。
「いかなる経験も、それ自体では成功の原因でも失敗の原因でもない。我々は自分の経験によるショック‐いわゆるトラウマ‐に苦しむのではなく、経験の中から目的にかなうものを見つけ出す。自分の経験によって決定されるのではなく、経験に与える意味によって、自ら決定するのである。そこで、特定の経験を将来の人生のための基礎と考える時、おそらく、何らかの過ちを犯しているのである。意味は状況によって決定されるのではない。われわれが状況に与える意味によって、自ら決定するのである」(アルフレッド・アドラー 岸見一郎翻訳)


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